建設業許可を取れるか不安なときに、最初に確認する3つのこと
「何から確認すればいいですか?」
「資料は足りていますか?」
建設業許可を考え始めると、こうした不安が出てくることがあります。
前職での経験は使えるのか。
資格を持っている人がいれば進められるのか。
決算書や口座の状況を見て、財産面は足りているのか。
確認することが多そうに見えるため、資料がそろうまで動けなくなってしまう方もいます。
このページでは、建設業許可の要件をすべて説明し切るのではなく、まず現在地を整理する入口として、最初に確認したい3つのことをまとめます。
「うちは許可を取れますか?」と感じたとき
建設業許可では、会社の形、これまでの経験、取りたい業種、営業所の状況などによって、確認する内容が変わります。
そのため、最初の段階で「取れる」「取れない」を急いで決める必要はありません。
まずは、
- 今、分かっていること
- 手元に残っている資料
- まだ分からないこと
を整理してみてください。
「わからない」が残っていても問題ありません。
何を確認すればよいかが見えれば、次に進みやすくなります。
最初に確認する3つは、許可の可否を決めるためのものではありません
ここで扱う3つは、建設業許可に関するすべての要件ではありません。
また、この3つだけを見れば、許可の可否が分かるというものでもありません。
最初に確認する目的は、自社の状況を「ある・ない・わからない」に分け、次に何を確認するかを見えるようにすることです。
まずは「ある・ない・わからない」に分けてみる
資料や経験を確認するときは、次の3つに分けてみてください。
ある
手元にあり、内容もある程度説明できるもの
ない
探しても見当たらないもの
わからない
必要かどうか、使えるかどうか、どこにあるかが分からないもの
たとえば、
- 前職の会社名や在籍期間は分かるが、当時の役職を示す資料があるか分からない
- 資格証はあるが、取りたい業種との関係が分からない
- 決算書はあるが、財産的基礎の確認にどのように関係するか分からない
という状態でも構いません。
最初から答えを出す必要はありません。
最初に確認する3つ
1. 経営を担う人の経験
建設業許可では、経営を担う人に関する確認があります。
「経管」と呼ばれることもありますが、最初に整理したいのは、誰が、どこで、どのような立場で、どれくらい建設業に関わってきたかです。
まずは、次のことを確認してみてください。
- 現在の会社や前職の会社名
- 事業主、役員、部長、統括責任者、営業所長などの立場
- 建設業に関わっていた期間
- 担当していた業務
- 現在の会社での立場
登記事項証明書、組織図、人事発令書、契約書、注文書、請求書などは、手元に残っているかを整理する資料例です。
これらの資料があれば経験を示せる、と決まるものではありません。
個別の証明可否や、どの資料をどのように確認するかは、正式なご依頼後に進めます。
資料が一部なくても、その時の会社名、役職、期間、仕事の内容を思い出せる範囲で書き出してみてください。
2. 営業所技術者等の資格・実務経験・勤務状況
建設業許可では、営業所ごとに、許可を受けようとする業種に応じた資格または経験を持つ営業所技術者等について確認します。
以前の「専任技術者」という呼び方を聞いたことがある方もいるかもしれません。
最初の段階では、次のことを確認してみてください。
- 取りたい業種に関係しそうな資格を持つ人がいるか
- その人がどのような工事に関わってきたか
- 前職を含めた在籍期間が分かるか
- 資格証、卒業証明書、工事に関わった記録などが残っているか
- その人が現在どの営業所で勤務しているか
- 他社との兼務や勤務形態について、確認が必要な事情があるか
資格や経験だけでなく、その人が申請する営業所に常勤し、営業所技術者等として専ら職務に従事できる状態かも確認します。
「資格はあるが業種との関係が分からない」「経験はあるが資料が残っているか分からない」という場合は、そのまま「わからない」として整理してください。
3. 財産的基礎
財産的基礎は、「口座にいくら残っているか」だけを見るものではありません。
一般建設業では、次のいずれかの経路で確認します。
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力があること
- 直前5年間、東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があること
どの経路で確認できるかは、会社の状況と資料によって異なります。
最初の段階では、次のような資料や状況を整理してみてください。
- 直近の決算書
- 預金残高や口座の状況が分かる資料
- 預金残高証明書や融資に関する資料の有無
- 東京都知事許可を受けて継続して営業してきた経過
この段階で、「決算書があるから大丈夫」「残高があるから問題ない」と決める必要はありません。
まずは、どの資料があり、どの経路を確認することになりそうかを整理します。
なお、特定建設業は一般建設業とは別の基準で確認します。
3つ以外にも、申請前に確認することがあります
建設業許可では、この3つのほかにも確認することがあります。
たとえば、
- 営業所が、請負契約に関する業務を行う場所として整っているか
- 社会保険の加入状況
- 誠実性に関する要件
- 欠格要件に当たる事情がないか
などです。
最初からすべてを調べ切る必要はありません。
まずは、経営を担う人、営業所技術者等、財産面の3つを整理し、その後に必要な項目を確認していきます。
財産的基礎と、許可後の資金繰りは別に考えます
建設業許可で確認する財産的基礎と、許可取得後の資金繰りは、同じ話ではありません。
財産的基礎は、許可申請時に確認する項目の一つです。
一方で資金繰りは、材料費、外注費、人件費などの支払いと、元請や取引先からの入金までの時間差をどう管理するかという話です。
資金繰りは許可の可否そのものではありません。
ただし、許可取得後に受注を増やしたい場合は、別途確認しておくと安心です。
建設業・工務店の資金繰りが厳しくなる理由|入金遅れ・外注費・材料費のズレ
3つを整理した後に、次に確認すること
1. 取りたい許可業種と、これから請け負いたい工事
今まで行ってきた工事だけでなく、今後どのような工事を請け負いたいかを整理します。
工事内容によって、確認する資格や実務経験、資料が変わる場合があります。
2. 許可が必要になる時期
元請から許可取得を求められている場合や、許可が必要となる可能性がある規模の工事を予定している場合は、いつまでに許可が必要かを書き出してみてください。
期限が分かると、先に確認する資料や準備の順番を決めやすくなります。
3. 「わからない」で残った資料や経験
「わからない」として残ったものは、準備不足ではありません。
次に確認する項目です。
前職の資料、資格証、決算書、通帳、契約書、注文書、請求書など、何が残っているかを一度書き出しておくと、その後の確認が進めやすくなります。
この記事とLINEで整理すること、正式なご依頼後に進めること
この記事とLINEでは、現在の状況、許可が必要な時期、困っていることを整理するところまでを扱います。
個別の要件判断、資料確認、証明方法の設計、書類作成、申請は、正式なご依頼後に進めます。
「何から見ればよいか分からない」という段階では、まず現在地を整理してから次の確認に進みましょう。
まとめ|取れる・取れないを急いで決めず、現在地を整理する
建設業許可を検討するとき、最初から資料をすべてそろえたり、許可の可否を決めたりする必要はありません。
まずは、
- 経営を担う人の経験
- 営業所技術者等の資格・実務経験・勤務状況
- 財産的基礎
について、手元にあるもの、ないもの、分からないものを整理してみてください。
現在地が分かれば、次に確認することも見えてきます。
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まずは、手元にある資料を
「ある・ない・わからない」
に分けるところから始めましょう。
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個別要件の判断、資料確認、証明方法の設計、書類作成、申請は、正式なご依頼後に進めます。
