「家庭のお金」と「事業のお金」、同じ財布になっていませんか|お金が残らないときに最初に見ること
「思ったより、お金が残らない。」一人で事業をしていると、ふとそう感じる瞬間があります。売上はそれなりにある。忙しく働いてもいる。なのに通帳を見ると、なぜか手元に残っていない。
多くの方が、これを「稼ぎが足りないからだ」と受け取ります。だから、もっと売ろう、もっと働こうとする。でも、原因はそこではないことがあります。
お金が残らない原因?
売上を増やす前に、見てほしいことがひとつあります。家庭のお金と、事業のお金。この二つが、同じ財布から出入りしていないでしょうか。
混ざっていると、事業でいくら使ったのか、暮らしにいくら必要なのか、その境目が自分でも分からなくなります。境目が見えないと、「足りているのか」を判断できません。判断できないから、漠然と不安になる。不安だから、また働く。
お金が残らない本当の理由は、稼ぎではなく、流れが混ざって見えていないことかもしれません。
父も、忙しいのにお金が残りませんでした
私の父は、建設業の一人親方でした。腕は確かで、現場では信頼されていた。それでも、あれだけ忙しく働いて、お金は残りませんでした。
家庭と事業が地続きで、どこまでが仕事のお金で、どこからが暮らしのお金なのか。見えないまま、資金繰りに追われていました。あのとき必要だったのは、もっと働くことではなかった。お金の流れを、分けて見ることだったと、今は思います。
守りたいものがあるから、人は悩む
私は行政書士として、経営判断のお手伝いをしています。答えを出す仕事ではありません。経営者が、自分で次の一手を決められる状態をつくる仕事です。
守りたいものがあるから、人は悩みます。家族の暮らし。積み上げてきた信頼。それを守りたいからこそ、お金の不安は重くのしかかる。整理は、その守りたいものを、守るためにあります。
今日できる一歩|通帳を「事業」と「家庭」で見分ける
通帳やカードの明細を、「事業」と「家庭」で見分けてみてください。金額を細かく計算する必要はありません。きれいに仕分ける必要もありません。ただ、「これは仕事」「これは暮らし」と、目で分けてみるだけ。
- まず、直近1か月の入出金をざっと眺める
- 「事業」か「家庭」か、頭の中で色分けしてみる
- 迷ったものは、迷ったまま「あとで確認」に置く
それだけで、混ざっていたものの輪郭が、少し見えてきます。
※どこまでが経費になるか、といった税務の判断は、税理士さんの領域です。ここでやるのは、その手前の”整理”です。分けて見えるようにしておくと、専門家に相談するときも、話が一気に早くなります。
一人で抱えず、整理する時間をつくる
とはいえ、一人で全部を見ようとすると、なかなか手がつきません。私は月に数回、「お金・時間・人の流れ整理会」を開いています。90分で、今の状況を整理し、次に確認することを一つだけ持ち帰ってもらう場です。売り込みはありません。ただ、一緒に整理するだけ。
