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建設業許可の「経管」とは?経営経験の年数・立場・必要書類を整理する【東京都・令和7年】

建設業許可を検討している方の中には、

「前職の建設会社で部長をしていた。」

「予算や人員配置、売上管理にも関わっていた。」

「この経験は、建設業許可で使えるのだろうか。」

こうした疑問を持つ方が少なくありません。

「経管」という言葉は聞いたことがあっても、自分の経験が当てはまるのかは判断しづらいものです。特に、役職名だけで判断できると思ってしまうと、必要な確認を見落としてしまうことがあります。

この記事では、「取れる・取れない」をいきなり判断するのではなく、経管の要件(何年必要か)を確認したうえで、①現在の立場 ②これまでの経営経験 ③説明できる資料 の3つを整理する方法を、東京都の手引き(令和7年度)にもとづいて解説します。

「経管」(常勤役員等)とは、何を確認する要件か

建設業許可では、「経管」という言葉が今でもよく使われますが、現在の正式名称は 常勤役員等(経営業務の管理責任者)、略して常勤役員等(経管)です。

これは、「建設業の経営業務の管理を適正に行うに足りる能力」があるかを確認する要件です。言い換えると、建設業の経営を適切に行える体制があるかを確認するものです。

そのため、「取締役だった」「部長だった」という肩書だけで決まるものではありません。現在どのような立場にあるのか、建設業でどのような経営・管理に関わってきたのか、それを説明できる資料があるのか——これらを総合的に確認します。

経管には、どれくらいの経営経験が必要か

常勤役員等(経管)は、次のいずれかで確認します(建設業法施行規則第7条第1号)。

  • 建設業に関し 5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある(取締役、個人事業主 など)
  • 建設業に関し 5年以上、その地位に準ずる立場(経営業務を執行する権限の委任を受けた者)として経営業務を管理した経験がある
  • 建設業に関し 6年以上、経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験がある
  • または、常勤役員等と、それを直接補佐する者を置く「体制」で満たす。この場合、直接補佐者は財務管理・労務管理・業務運営について、その会社でそれぞれ5年以上の建設業の業務経験を持つ人を置きます(他社での経験は不可)。

具体例でみる(あくまで目安)

  • 建設会社で取締役を7年務めた → 経営業務の管理責任者としての経験として整理しやすい。
  • 営業担当を10年していた → 経営業務の管理とは別の経験のため、そのままでは当てはまりにくい。
  • 前職で部長・統括責任者だった → 権限委任の内容しだい。役職名だけでは判断できず、立場・期間・資料で確認する。

「部長だったから満たす」「役員だったから満たす」と役職名だけで自己判断せず、立場・期間・資料の3点で整理するのが出発点です。

まず確認したい3つのこと

1. 申請する会社で、現在どのような立場にあるか

まず、現在申請する会社での立場(代表取締役・取締役・個人事業主など)を整理します。前職で部長だったことと、現在の会社での立場は、別々に確認します。申請する会社で常勤しているかどうかも確認が必要になる場合があります。

2. 前職で、建設業の経営や管理にどう関わっていたか

会社名・在籍期間・役職・担当業務(予算管理/人員配置/売上・利益管理/労務管理/業務運営)・建設業に関する仕事だったか、を整理します。「部長だった」という肩書だけでなく、実際にどのような権限と業務を担っていたかまで振り返ります。

3. その経験を説明できる資料があるか

経験は資料とセットで確認します。まずは ある・ない・分からない の3つに分けるだけでも、次に何を確認すればよいかが見えてきます。前職会社へ依頼すれば取得できそうな資料は、「取得見込みあり」とメモしておくと整理しやすくなります。

常勤性の確認(東京都は特に厳格)

経管は、申請する会社に常勤していることが求められます。「常勤」とは、主たる営業所で、休日等を除き毎日所定の時間、その職務に従事していることをいいます。次のような場合は常勤とみなされません。

  • 他社に常勤している(他社の常勤役員・代表取締役などとの兼任)
  • 被扶養者である/申請事業者以外から報酬を得ている
  • 通勤が社会通念上不可能なほど遠距離(片道おおむね2時間以上が一つの目安)

テレワークを行う場合も、営業所に常勤している場合と同様に業務が行える環境であること等が求められます。

経管を証明する主な必要書類

代表的な確認資料は次のとおりです(会社の体制・経験により異なります)。

立場・経営者としての地位

  • 常勤役員等証明書(様式第七号)/常勤役員等の略歴書
  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)※取締役の期間を確認
  • 個人事業主の場合:確定申告書の控え(税務署受付印またはe-Tax受信通知)

建設業の経営経験(期間の裏づけ)

  • 工事請負契約書・注文書・請求書(経験期間分)/入金が確認できる資料(通帳等)
  • 前職会社の建設業許可通知書、許可業種・許可期間が分かる資料

常勤性

  • 健康保険・厚生年金に関する資料 等

※常勤性の確認資料は制度改正で取扱いが変わることがあります(例:健康保険証の取扱い)。提出前に最新の手引きでご確認ください。

最初からすべてそろっている必要はありません。「ある・ない・分からない」に分け、足りないものは取得の見込みをメモしておけば十分です。

経営面(経管)と技術面(専技)は、別に確認する

建設業許可では、経営面の経験(経管)と、工事の技術面の経験(営業所技術者等=専技)は別に確認します。現場経験が長いからといって経管が決まるわけではなく、経営管理に携わっていたからといって専技が決まるわけでもありません。どちらも重要ですが、確認する内容が異なるため、混同せず整理することが第一歩です。

(専技の実務経験については専任技術者(営業所技術者等)の実務経験を書類で証明する手順で解説しています。)

相談前に、まず整理しておきたいメモ

  • 現在の会社での役職と就任時期
  • 前職の会社名と在籍期間/役職/担当していた業務/持っていた権限
  • 建設業に関わった期間
  • 手元にある資料/前職へ依頼できそうな資料/分からないこと

全部埋める必要はありません。空欄は「次に確認すること」が分かったという大切な情報です。

早めに確認した方がよいケース

  • 前職で役員ではなかったが、部長や統括責任者だった
  • 前職会社から資料を取り寄せる必要がある
  • 現在の会社が設立間もない
  • 経営面と技術面の経験が混ざっている
  • 元請会社から建設業許可の取得を求められている/許可取得の期限が近い

まとめ|経管は「役職名」ではなく、要件・立場・期間・資料から整理する

「経管」と聞くと、「自分は対象になるのか」「役職が足りないのではないか」と不安になる方は少なくありません。しかし最初に必要なのは、取れるかどうかを判断することではなく、要件(5年・6年・体制)を知ったうえで、現在の立場・過去の経験・手元の資料を整理することです。

分からないことがあっても構いません。「分からない」は、次に確認することが見えた状態でもあります。現在地が整理できれば、その後の準備も進めやすくなります。

東京都で建設業許可を検討している方へ

「自分は経管に当てはまるのか」——ここは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

立場・期間・資料を一緒に並べれば、次に確認することが一つ決まります。

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※本記事は令和7年度「東京都建設業許可の手引き」に基づいて整理しました。実際に必要な確認事項や資料は、会社の体制・経験・申請内容によって異なります。制度改正もあるため、申請前には最新の手引きでご確認ください。

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